Q. 相談内容

自己破産せざるを得ない状況にあるが、自己破産をすると、今後生きていく上で、どのような不利益があるのか、そのデメリットを教えて欲しい。

A. 回答

自己破産による不利益は、基本的には次の通り。それ以外の不利益はない。
①各種の公法上、会社法上、民法上の資格制限を受け、破産者は、弁護士・公認会計士・司法書士・税理士・行政書士・宅地建物取引主任者・株式(有限)会社の役員などの仕事に就けなくなる。
但し、免責決定が確定すれば、このような資格制限はなくなる。
②主要な財産は換価処分される。但し、通常の生活に必要な家財道具や、99万円以下の現金・預貯金、及び20万円以下の財産(例えば保険解約返戻金など)は換価処分の対象とされない。
③信用情報機関に事故情報として登録される(ブラックリストに載る)。
ブラック情報が抹消されるまで大体5年~7年位かかる。借入額や返済期間によっては例外もあり得るが、その間は基本的に金融業者からの融資は受けられない。クレジットカードを利用することもできなくなる。

※ワンポイント

【破産宣告の確定】
破産宣告が確定すると、本籍地の市区町村役場の破産者名簿に記載され、官報で公告されるが、一般の人の目に触れることはまずない。戸籍には記載されないし、選挙権がなくなることもない。なお、破産者名簿の記載は免責が確定すれば抹消される。
【自己破産のQ&A】 
Q 家族に秘密で破産できるか、家族に返済義務は?
A 申立時の添付書類に同居人の収入証明書が必要であり、同居人に秘密で進めることは難しい。免責後の生活再建のためにも家族の理解と協力が不可欠。なお、債務者の保証人となっていない限り、他の家族に支払義務はない。債務者が行方不明となったような場合でも同様。
Q 会社に秘密で破産できるか?
A 破産手続開始決定前に、給料に対する差押えを受けた場合には債権差押命令が会社に送達される。差押えがかかる前なら対応が可能なので、専門家(弁護士や司法書士)に相談をすること。なお、事業主は破産を理由に解雇することはできない。
Q 自己破産すると、今まで通りの生活を続けられなくなるのか?
A 破産申立の9割以上が同時廃止により終了する(破産手続きを進めても換価できる財産がないので意味がないため。その後は免責手続きに進んでいく)。従ってこの場合には、破産者の財産が差押えられることもない。
仮に、めぼしい財産があって管財事件(破産者の財産の換価処分等を行うため破産管財人が選任される)となった場合でも、破産者の通常の生活に必要な家財道具(衣類・家具・台所用品・日常電化製品等)は処分の対象外なので、通常の生活を続けることは充分に可能。
Q 自己破産すると保証人に迷惑が掛らないか?
A 破産免責の効力は保証人には及ばない。従って、破産者の免責後も保証人は債務の支払義務を負う。時には、保証人も債務整理を検討すべき場合も生じる。

※回答者

司法書士 北川哲男