Q. 相談内容

工事請負契約書で工事期間は6ヶ月となっている。後1週間で工期期限が来るのに基礎部分が済んだだけで全く進んでいない。工事代金1,800万円の内、既 に1,410万円を支払った。業者選定にあたっては、隣市にあり、以前テレビで宣伝をし、住宅雑誌にも掲載されており、低価格なので決めた。
営業マンは「下請の会社が忙しく工事が出来ない待ってくれ」と言い、下請会社は「元請がお金をくれないから」と言う。

A. 回答

工事期限までの後1週間で工事を完成させることが不可能ならば、契約の解除ができる。
解除したときは、出来高(既に終わった工事)についての代金相当分は負担しなければならないが、工事が遅れたこと等の損害賠償の請求は可能であり、これらの計算をして支払ってある代金と清算することになる。 
遅れてもこの業者に工事を続行させる場合は、新たな完成時期と遅れたことによる損害の賠償の約束をさせる。
下請への支払がなされていないおそれもあり、既にかなりの工事代金を払ってしまっていることから、工事の完成あるいは代金の清算返還いずれの方法も難しい問題を含んでおり、具体的に弁護士に相談した方が良い。

※ワンポイント

〇工事請負契約書
契約書は約束をしたことを完全に実行するためにお互いの義務と権利を明確にして取引を成立させる条件を明文化するもの。
一般的には①契約書 ②契約約款 ③内訳明細書 ④現場説明書 ⑤質疑応答書 ⑥設計図 ⑦特記仕様書からなるが、これ等一式が製本され、建築主と施行業者が署名・押印・割印のうえ各1通づつ保管する。
なお、請負業者は「契約書に記述のない工事はする義務がない」ということにもなるので、内容を充分確認の上、署名捺印するよう注意を。
〇工事代金の支払時期についても工事請負契約書に確認された内容で記載される。
一般的には、工事の進捗状況に応じて、契約時、建前終了時、完成時の3回、若しくは完成前に更に1回加えた4回で、概ね3~4分割で支払うことが多い。

※回答者

弁護士 佐藤 豊