Q. 相談内容

1年前に年金事務所へ年金相談にいった時、夫の老齢厚生年金に加算される配偶者の加給年金は、配偶者の厚生年金の加入期間が20年未満であることや、老齢基礎年金を受給していないなどの条件で加算されると言われた。
その時、まだ自分の厚生年金の加入期間は19年だったので、20年にならないうちに退職した方が良いのか質問したら、その必要はないと言われた。 
しかし、結果的には退職せず20年以上加入してしまったため加給年金が受給できなくなった。
相談員の言葉を信じたために年間40万円も損をし、このままでは納得できない。加給年金がもらえるように、この件を年金記録確認第三者委員会へ申立てることはできるか。

A. 回答

加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上ある被保険者(中高齢者の特典あり)が定額部分を含む老齢厚生年金を受給するようになったときに、65歳未満の配偶者や18歳未満の子等の生計を維持しているときに加算される(別表1・2参照)
この内、配偶者の加給年金は配偶者が65歳になると支給が打ち切られるが、昭和41年4月1日以前生まれであれば、配偶者の老齢基礎年金に対して一定額の 振替加算が行われることとなっている。しかし、配偶者が被保険者期間20年以上または中高齢者の特例の年数以上(別表3)で自らの老齢厚生年金を受給する 場合には、加給年金は支給停止となり振替加算も行われない。
今回、年金相談時点で厚生年金加入期間が19年とのことだが、おそらく中高齢者の特例の年数をすでに上回っていたため、すでに加給年金の対象とならないことから窓口の相談員はその必要はないと言ったのではないかと思われる。
したがって、加給年金に関係なく厚生年金の加入期間が長ければ本人の年金が増えるわけであるから、相談員の回答は特に問題とならない。
 また、被保険者として加入していた期間が適正であれば、当然、年金記録を取り消すことはできないし、さらに年金事務所の相談員の説明不足を理由として、年金記録を取り消すことを第三者員会に」申立てることもできない。

※ワンポイント

【年金記録確認第三者委員会 】 
○年金記録確認第三者委員会とは、4年ほど前、当時野党だった民主党が国会で追及して明らかになった「消えた5000万件の年金記録」が問題となったとき に、双務省が国民の年金記録に対する不服申立てを受け付ける窓口を設置し、その記録回復に関する審査決定を弁護士や社会保険労務士など外部の専門家に委任 することとした行政機関。
  第三者員会への申立は、①年金の保険料を払ったのにその記録がない、②会社で年金保険料を天引きされていたのにその記録がない、③天引きされていた保険料 に見合う標準報酬が記録されていない、④脱退手当金を受け取っていないのにその期間の記録がなくなっているなどの理由により不服がある者が行える。
 委員会では、申立て内容と関係者の証言、給料明細などの証拠書類等により記録回復決定の判断がされる。

※回答者

特定社会保険労務士 山口正人