くらしなんでも相談Q&A

相続法が変わる

相談内容

相続法が改正されると聞きました。どのような改正があるのでしょうか。

解答

2018年7月6日、相続に関する民法等の規定(いわゆる相続法)を改正する法律が成立し

原則として2019年7月12日までに施行されることが決まりました。相続法の40年ぶりの

改正です。

具体的な内容としては、配偶者の居住権を保護するための方策、預貯金の仮払い制度の創設、遺言

制度の見直し、遺留分制度の見直し等です。また、相続人以外の親族が被相続人の介護等をした場合、

「特別寄与料」を請求できる規定も設けられました。

このうち、生活に身近な、配偶者居住権、預貯金の仮払い制度、相続人以外の親族が被相続人の介護

等をした場合の「特別寄与料」について説明します。

 

1.配偶者の居住権について

配偶者居住権とは,被相続人の配偶者が相続開始の時に居住していた建物を自身の死亡まで無償で使用

収益できる権利のことを言い、この規定の新設は、今回の相続法の改正の目玉とされています。

高齢化社会ですので、被相続人の配偶者も高齢である場合が多いです。高齢で、住み慣れた住まいを離れ

るのは、肉体的にも精神的にも大変です。

そこで、被相続人の配偶者は、相続開始の時に居住していた建物を死亡まで無償で使用収益ができるとさ

れた権利が、この配偶者居住権です。

また、併せて、被相続人の配偶者が相続開始の時に無償で居住していた遺産に属する建物に、遺産分割

終了するまでの間(最低6か月間)無償で使用できる「配偶者短期居住権」の規定も設けられています。

 

2. 預貯金の仮払い制度の創設について

被相続人が残した預貯金は、現状では、原則として相続人間の遺産分割協議が調わないと、引き出した

り、解約したりすることができません。

しかし、100万円単位の葬儀代や当面の生活費など、遺産分割を待っていられないこともあります。

そこで、預貯金債権×1/3×法定相続分以下の額は、相続人が単独で引き出せるよう新たな規定が設け

られました。(ただし、引き出せる額は100万円が限度となる予定とされています。)

 

3. 相続人以外の親族が被相続人の介護等をした場合の「特別寄与料」について

例えば、息子の配偶者、いわゆる「お嫁さん」は、義理の親の介護などをしても、相続分はもちろん、

寄与分さえも認められていません。しかし、それはあまりに不公平です。

被相続人が遺贈してくれれば財産を得られますが、遺贈してくれるとは限りませんし、「遺贈してくれ」

とは言いづらい場合が多いものです。

そこで、今回の改正により、被相続人に対して無償の療養看護や労務の提供をした相続人ではない親族

は、「特別寄与者」として、相続人に金銭の支払の請求ができるように新たな規定が設けられました。

※回答者

司法書士 北川 哲男(2018.9)

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