活動報告

2010年9月20日

“多重債務に陥らないために” 講師 宇都宮健児弁護士


生活応援運動「気づきキャンペーン」の一環として、東信ブロックで県内初めての講演会を9月20日(祝)佐久勤労者福祉センターにおいて開催、市民135名が来場しました。
講師の宇都宮弁護士は30年に亘り、サラ金業者からの取り立てに苦しむ多重債務者支援に取り組み、改正貸金業法完全施行に至るまでの運動や多重債務者やヤ ミ金業者の実態を、自らの経験や対応した具体的なケースを紹介しながら説明。「解決できない借金問題はない」と債務整理の方法や多重債務に陥らないための 心得などを講演していただきました。宇都宮弁護士は多重債務対策の課題として、多重債務に陥った人は相談先がわからず追い詰められてしまう。せめて高校生 の頃学習の機会が欲しい。学校教育での金融経済教育強化の必要性を訴え、また来場者に自身の周りにもし多重債務の問題を抱えている人がいたら、力になって やってほしいとよびかけられました。
【多重債務問題の現状】 
 消費者金融の利用者は約1500万人。このうち200万人が返済に行き詰まり多重債務者となっていると予測される。多重債務に陥るとクレジット・サラ金 業者の苛酷な取り立てに苦しみ、自殺や家出、夜逃げをする人を多く生み出している。多重債務者の多くは税金、国民健康保険・年金保険料、公営住宅の家賃な どを滞納するケースが多い。1998年自殺者が急増し3万人を超えたが、このうち約7千が経済・生活苦による自殺者であり、この状況は現在に至るまでほぼ 同じである。
 一方ヤミ金業者は出資法に違反し年利1千%~1万%、10日で4割~5割の超高金利で貸し付けを行っている。暴力団関係のヤミ金グループの摘発、ヤミ金 融対策法、新貸金業法の制定等でヤミ金業者の数は減ってきているが、今後再び増える危険性がある。また一部グループが振り込め詐欺等に移行している。
【多重債務に陥らないために】
①本当に必要なお金かよく考える。
②金利はどのくらいか。自分の収入で返済できるかよく考える。
③他に借りるところがないかよく考える。
④借金返済のための借金はしない。
⑤返済できなくいなったらすぐに弁護士などの相談窓口で相談する。
⑥安易に保証人とならない。

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