活動報告

2012年3月07日

突然やってくる大震災に「しっかり備えて、命を守る」


突然やってくる大震災に「しっかり備えて、命を守る」
自然災害セミナーに700人参加
大地震の発生に備え、その理解と防災意識を高める、県労福協主催の「自然災害セミナー」が3月6日、松本市のまつもと市民芸術館で開催されました。県労福 協関係者ら市民約700名が、「しっかり備えて、命を守る」をテーマに阿部知事や東日本大震災の被災者、そして地震観測の専門家らの講演を通して、日頃の 備えや地震活動に関する基礎的な理解の大切さを学びました。
セミナーの前段では、阪神・淡路大震災、東日本大震災、県内地震の生々しい映像と、栄村の除雪ボランティアなどをDVDで放映。続いて震災発生当時、宮城 県女川町で暮らしていた相沢智子さん(上田市岡に移住)の講演では、がれきや車で埋もれた町の様子を自らの携帯で撮影した写真で説明しました。相沢さんは 「住んでいた地区は津波が来ないと言われていたが、住民の7割が亡くなった」と想像を大きく超えた津波の規模を振り返り、被災地は「復興のスタート地点に も立っていない」とした上で「仮設住宅ではなく、安住できる地に移ってからが本当の復興の始まり。この大震災が忘れられてしまい、風化されてしまう事が最 も辛く悲しいこと・・・」と長期的な支援を涙ぐみながら訴え、訪れた700人は真剣に耳を傾けていました。
開会挨拶では、奥原副理事長(県労働金庫理事長)が、被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げ、このセミナーに協力をいただいた県市町村、経済団体、関係団体に感謝を申し上げました。
主催者挨拶で、県労福協中山理事長は、「災害は時も人も選びません、災害時には火災や建物の倒壊、道路の寸断、断水や電力供給のストップなどが同時に広範 囲に発生するものと思われ、公的機関の対応には限界があります。その意味では、人命救助や財産保護等に対する自主的な防災活動が重要であります。幸い長野 県人は、絆を大切にする県民性と県下に広がる各団体のネットワークがあり、これを活かし、全力で取り組みたい・・・」と決意を示しました。
阿部知事の講演では、昨年三月の県北部地震で被害を受けた栄村の状況などを報告。仮設住宅の入り口をバリアフリーにするなどの工夫を説明する一方で、結露 など豪雪地帯特有の課題もあったことを指摘しました。東日本大震災の被災地への支援が早かった自治体は交流があったことを例に挙げ、「今後は災害を視野に 入れた地域間の交流を拡大していく」との意向も示されました。
 基調講演では、気象庁精密地震観測室の橋本室長が「長野県には多くの活断層などが広く分布しており、ひとたび自然が猛威を振るえば、甚大な被害が発生す る地域であります。その為にも、突然やってくる大災害から、自分自身、家族、地域を守る為に、私達一人ひとりが、常日頃から防災意識を高めて置く事が重 要」と訴えてくれました。
つづく、松本市危機管理室の丸山次長さんの講演では、防災には「公助・自助・共助がうまく連携することが重要であり、まずは、災害に備え、自分や家族の命 を守る為に、家具の固定、最低3日分の水と食料の備蓄をすること、常に避難場所を確認する事」など・・を教えて頂きました。
最後の青木専務理事のまとめでは、「いつ起きても不思議ではない」と言われている大災害に、最低限の「心と物資の備え」をしておく事などの必要性などが訴えられました。
また、この会場のホールに、全労災、松本ガス、中部電力、NTT東日本、NTTドコモ、住宅生協の各防災の為のブースが設置されている。いつ起きてもおかしくない災害に備えてのブースでの利用を呼び掛け、セミナーは終了しました。

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