Q. 相談内容

5年前協議離婚した。当時5歳の長男の親権者を父親と定め、母親である自分は監護者となって長男を引き取り育ててきた。
最近、父親の所在が判らなくなり、子供の学校に提出する書面等色々な面で支障が出て困っている。
親権者を父親から自分に変更することは出来ないか。
親しくしている同じ境遇の友人は、親権者である父親が病気で急逝し親権者がいなくなってしまったが、そういう場合はどうすればよいのか。

A. 回答

子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって親権者を他の一方に変更することができる(民法第819条6項)ので、家庭裁判所に親権者変更の申立てをする。
申立は審判と調停があるが、父親の所在が判らないなら審判を申立てる。
なお、長男は10歳ということなので該当しないが、15歳以上の未成年者の場合は、子どもの意見を聞くことになっている(家事審判規則第72条、54条)。
また、親権者である父親が死亡した場合は、単独親権行使者の死亡により、後見が開始するのか、親権が復活するのかの説があるが、後見人選任の申立ても可能だが、親権変更あるいは親権回復の審判を申立てることができると考える。

※ワンポイント

【親権者変更調停】 
離婚の際に未成年の子どもがいる場合、父母の合意で親権者を定めることができるが、離婚後の親権者の変更は、必ず家庭裁判所の調停・審判によって行う必要がある(親権者が行方不明等で調停に出席できない場合などは、親権者変更の審判を申立てる)。
申立人は子どもの親族、申立先は相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所。必要書類は申立書1通、申立人・子どもの父母・子どもの戸籍謄本各1通。費用は対象となる子ども一人に付き収入印紙1,200円と連絡用郵便切手。
なお、話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され、家事審判官(裁判官)が一切の事情を考慮して審判をする。

※回答者

弁護士 田中善助