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期間満了での雇用契約終了は違法にならないのか

相談内容

パート勤務。雇用契約は1年で、既に3回更新をしてもう直ぐ4年になる。
今月末の更新時にも当然更新されるものと思っていたが、突然、上司から「売上の減少で経営状況が厳しいので、今月末の契約期間満了時をもって雇用契約を終了とする」と言われた。
契約期間満了でありクビではないと言うが、生活がかかっており本当に困っている。どうしても納得いかないが、法的には許されるのか。

解答

有期雇用契約は、期間の定めのない雇用契約と違い、その契約期間が満了となれば当然に雇用は終了する。
雇用期間の定めのない労働者や雇用期間の定めのある労働者が期間中に事業主側から契約の解除を言い渡されることをクビ(解雇)といい、このじr艇では該当しないが、会社側がこのような雇止めをいつでも自由に行えるかということについては問題がある。
事業主側は労働者に対して雇用契約更新の有無について明示する義務規定(労働契約法第1条1項)があるが、仮に、「更新あり」と明記されていれば、更新の意思が雇用契約締結時に会社側にあったことは明らかであり、一方的な更新拒絶は解雇と同様とされる。
もし解雇であるとすると、会社の経営上の理由による「整理解雇」となり、①人員削減の必要性の存在、②会社の解雇回避努力の実施、③被解雇者の合理的な選 定、④労働者側との協議の実施といった4要件すべてがないと、客観的に合理的な理由がないものとして労働基準法(第18条1項)に違反し、権利の濫用によ る「不当解雇」となる。
また、解雇が相当であった場合でも、「30日前の解雇予告」もしくは「解雇予告手当の支払」の規定(同法20条1項)により、突然の解雇の言い渡しの場合は、事業主に対して賃金とは別に解雇予告手当の支払を求めることができる。
なお、契約期間が「更新あり」となっていても、その更新が長期に亘って数回行われていて、雇用実態が期間の定めのない雇用と変わらないとみなされれば、過去の判例を先例とすると、雇用期間満了でなく解雇とされる可能性が高い。

※ワンポイント

【有期雇用契約の雇止め→解雇と判断】-有名な判例要約-「東芝柳町事件」
電気機器製造業務に臨時的に期間の定めのある雇用によって採用された7名の工員について、正社員と差がない勤務内容であるにもかかわらず、適用される就業規則の内容に差があり、また労働組合への加入も認められていない状況にあった。
その後それぞれ5回から23回の契約更新を経た後に、会社側が工員らの勤務態度不良や業務量の減少を理由に契約更新を拒絶したため、工員らが提訴。
〔最高裁の判決主旨〕
本件各労働契約においては、会社としても景気変動等の原因による労働力の過剰状態が生じない限り契約が継続することを予定していたもので、実質的に期間は 2ヶ月とされているが、いずれかから格別の意思表示がなければ、当然更新されるべき労働契約を締結する意思であったものと解するのが相当である。
したがって、本件労働契約は、期間の満了毎に当然更新を重ねてあたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存在していたものといわなければならない。
本件の雇い止めの意思表示は、このような契約を終了させる趣旨のもとにされたのであるから、実質において解雇の意思表示に当たるので、そうである以上、本件雇い止めの効力の判断にあたっては、その実質に鑑み、解雇に関する法理を類推すべきである。
【参考】契約期間途中での解雇の禁止(労働契約法第17条1項)。
必要以上に短い期間を反復して更新することがないよう配慮する努力義務規定(労働契約法第17条2項)。

※回答者

特定社会保険労務士 山口正人

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